合格者の声

獣医療
緑の森どうぶつ病院 木村恵さん
~大切なのは、飼い主さんと私たちが
ともに正しい知識を共有すること~

家庭でできる最大の健康法が「食事」だから

 「森が人の心をいやすように…どうぶつたちとのふれあいの中で、もっとやさしくあれたらいいね!」。
 ペットはもちろん、飼い主さんの側に立ち、飼い主さんに寄り添う診療を目指している、北海道旭川市の「緑の森どうぶつ病院」。ここでは、飼い主さんの話に耳を傾け、不安な気持ちを軽減し、納得できる・安心できる、個々のペットに合った最適な治療を施しています。
 一般診療のほか、高度専門医療、しつけ、トレーニングなども行っていますが、なかでも、飼い主さんがペットにしてあげられる”最大の健康法”が「食事」であると考え、「フードマイスター」と呼ばれる院内資格制度を設けて、飼い主さんたちへの食事指導に力を入れ、スタッフ全員が食事に関する飼い主さんの悩みに対応できるような態勢を整えています。また、栄養学セミナーなど、各種の院内セミナーを行い、食事と健康についての正しい知識の啓蒙にも努めています。

目に見える信頼としての資格の必要性

 最近では、どの動物病院でも、インターネットで病気や栄養についての情報を調べて相談に訪れる飼い主さんが多くなっています。しかし、なかには、誤った情報を拾いあげてきてしまう飼い主さんも多いのが実情です。緑の森どうぶつ病院でも、正しい知識をきちんと伝えなくては、といった危機感をひしひしと感じ、院内資格制度だけでは不十分なのでは、と不安に思っていた病院スタッフも多かったそうです。そんな矢先に出会ったのが「ペットフード販売士」の資格でした。
 全国区の資格を取得することによって、正しい知識が得られるだけでなく、「目に見える信頼」として飼い主さんに大きな安心感をもたらすことができるはず。そう考えた結果、昨年、まずは一部のスタッフが受験してみごと合格し、「ペットフード販売士が在籍する動物病院」としての新たなスタートをきりました。
 現在は、緑の森どうぶつ病院におけるペットフード販売士の第1期生たちが、ペットフード販売士に必要な知識を他の病院スタッフに伝えるために、院内教育を熱心に進めています。

飼い主さんのニーズに基づいたペットフードの開発

 道内に5つの動物病院を展開し、日々多くの飼い主さんが診療に訪れる緑の森どうぶつ病院。毎日のように食事や栄養に関する相談を受け、さまざまなニーズに接しています。そのようななかで、「せっかく食材が豊富な北海道にいるのだから、安心してペットに食べてもらえる動物病院発信のごはんを作ろう。本当に安全な食事とは何かを飼い主さんに知ってもらおう。」と考え、たもぎ茸やエゾシカ、鮭の白子といった北海道ならではの食材にこだわったフードの開発に着手しました。
 緑の森どうぶつ病院グループの一員である「株式会社やさしい森」が中心となって、ペット栄養学の専門家や獣医師が開発に携わっています。安全性を第一義としているため、目が行き届く範囲内での製造や品質管理を行っており、人間が口にしてもまったく問題がない品質のペットフードを作り続けています。また、単にペットフードを作るだけでなく、CSR活動(企業の社会的責任)の一環としてその販売を行っています。

ペットの「食」にかかわる知識の重要性

 ペットフードの企画・開発・販売を手がけるにあたって必須となるのがペットフードに関する広範な知識。ペットフード販売士には、ペットの生理・生態学や栄養学などのほかに、ペットフードの製造や法規に関する知識など、幅広い分野の基礎知識が必要とされています。なかでも、表記をはじめとした各種法規に関する専門知識は、ペットの体や病気に直接的にかかわってくる内容ではないため、敬遠してしまいがちなもの。ですが、ペットフードを企画・開発・販売するにあたっては必要不可欠な知識で、ペットの「食」の安全性を表記から読み解くこともできるのです。
 緑の森どうぶつ病院では、スタッフ全員がペットの「食」にかかわるあらゆる知識を習得し、飼い主さんにきちんと伝えていくことがペットの幸せにつながると考え、ペットフード販売士の資格の有用性を重要視しています。

診療の現場で活きるペットフード販売士の知識

 「人もペットもおなじ”生きもの”」。これが、緑の森どうぶつ病院のスタッフ全員の”想い”の根本にあるものです。「ペットだから」や、「人間ではないから」ということで、ペットの食事をおろそかにすることはできません。
 緑の森どうぶつ病院では、ペットと人間が同じレベルで健全な暮らしを営めるようにするにはどうしたらよいだろうか…、ということを常に課題として抱きつづけてきました。
 そのような日常のなかでのペットフード販売士の資格との出会いは、一条の光のようなものだったといいます。今後は、習得した知識を正しく論理的に飼い主さんに伝えるためのひとつのツールとして、資格を積極的に活用していく予定で、資格を保有することで、伝える側にも自信が生まれるという、うれしい副産物にも期待しているといいます。

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